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元ロボット教室講師による教育情報サイト。教材作成や、勉強の苦手な生徒の相談、教師の研修など、ロボット教室での様々な経験を活かした情報を発信します。STEAM教育、インストラクショナルデザインを研究しています。

子供が家庭学習の習慣を身につけるには?元塾講師がフォローの仕方をご紹介

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「子供が家で勉強しなくて学校についていけるか不安」

「家で宿題もやらずにずーっとテレビやゲームをしていて・・・」

「家で留守番している間に宿題くらい済ましてくれればいいのに・・・」

そんな、家庭学習に関する保護者は、塾講師として受ける相談としては定番です。

とてもよく耳にします。

 

子供が家庭学習を進んでするようになるには?

実は、ちょっとしたフォローをすると、子供は家でも進んで勉強するようになります。

そのコツをぜひご紹介したいと思います。

 

家庭学習する子としない子の違いと、勉強しない子の悩み

家庭学習を進んでやる子は、学校の授業が合っている子が多いです。

要は、学校の授業がわかっていれば、家庭でも教科書とノートを開いて、授業のことを思い出す、ドリルで問題を解く、ということが比較的簡単にできるのです。

学校の授業内容がわかっているから、授業を前提とした宿題をこなすのも苦しくないので、楽しく勉強できる、ということです。

 

こういう子供たちには、文字の読み書きが得意、という特徴があります。

 

それぞれの子供が能力の個性と種類

話はちょっとそれますが、子供の能力は、
「文字(文章)から意味を読み取る」
「音から意味を読み取る」
「音の高さを測る」(絶対音感
「二次元の画像をイメージする」
「空間をイメージする」
「映像をイメージする」

という6種類に分類され、それぞれ得手不得手があります。

 

学校の授業では、えてして「文字(文章)から意味を読み取る」(板書)と、「音から意味を読み取る」(先生の話)しか使われません。

 

そのため、この2つ以外に得意分野がある子には学校は不利な状況にあるのです。

 

学校の授業のやり方があっていない子は家庭学習もしにくい

こうして、自分の得意でない能力を使うことを余儀なくされている子は、学校と同じやり方を家出しても理解が進まず、苦しいだけなので、家庭学習をしなくなる、という傾向にあります。

 

小学校の時は勉強についていけなかったけど、中学以降についていけるようになった、というのは、不得意だった2つの能力が、発達していった、ということです。

 

 

家庭学習をしない子供の悩みは大きく2つ

・何をやったらいいのかわからない(Don't know What to Do)

・どうやったらいいのかわからない(Don't know How to Do)

この2つが大きな問題です。 

 

先生は、大概文章を解釈する能力が高い人たちです。学校のイメージが良いから先生を目指した人たち、というのは多いはずです。

 

逆に、ここを解消してあげれば、学校にもついていきやすくなるし、家庭学習も理解できるから楽しくなるのです。

 

家庭学習で親がやるべきこと、できることの3ポイント

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家庭学習で子供がコツを掴むまでにできることは大きく3つです。

 

1.授業でどんなことを学んできたのかよくわからなかったのかを聞く

2.子供にあった学び方を探して、子供と一緒に試してみる

3.家庭学習の習慣がつくまで、子供と一緒に勉強する

それぞれについて解説していきます。

 

1.授業でどんなことを学んできたのか、よくわからなかったのかを聞く

自分が何がわかっていて、何がわかっていないのかを正確に把握するのは大人でも大変なことです。

学校の授業に苦手意識のある子供にとって、授業のことを思い出すのは楽しいことではないので、自主的にやることはほぼありません。

でも、わからない、ということは悩みなので、心の中では苦しさをわかってほしい、と思っているものです。(塾に生徒が早く来た時に、お悩み相談というのは良くしていました。小中高、どこでも変わりません。)

 

この時、まずは出来たことを聞く、というのはとても重要です。

できなかったことを最初から話すのは楽しくありません。なので、まずは楽しい話をして、話すということのハードルを下げることが、素直な話をしてもらうためには重要なのです。

 

子供自身も、話してみることによって、自分が何を悩んでいるのか表現して、認識できるようになります。子供によっては、自分のわかっていないことを、自分で知り、認めるだけで、勉強への向かい方が変わる子もいます。

 

2.子供にあった学び方を探して、子供と一緒に試してみる

特に、ノートの取り方、というのが重要です。

発送法でよく使われるマインドマップというのは、画像や映像で物事を理解する子にとても有効です。 

イラストで学ぶスタディスキル図鑑:自ら学習する力をつける

イラストで学ぶスタディスキル図鑑:自ら学習する力をつける

 

 

できる子はノートがちがう!―親子ではじめるマインドマップ

できる子はノートがちがう!―親子ではじめるマインドマップ

 

これらの本を、保護者との三者面談で紹介したことがあります。

3人でパラパラとめくり、コンセプトを照会していたところ、子供が食い入る様に読み始めました。(その子は、発達障害の子でした。)

試しにその時に学んでいたテーマについて、理解を書いてもらったところ、自分のわかっているところと、わかっていないところが自分でわかるようになった、と、とても楽しそうにしていました。

 

学校のノートは、文字を構造的に書いていくことに特化しており、自由なノートの取り方を教わることができません。

 

マインドマップのように、イラストを駆使して、自分の頭の中を表現できるようになると、学校で理解の止まっていたことが、まるで歯車が噛み合ったかのように進むようになっていきます。

 

このような、子供にあった勉強の仕方、特にノートの取り方を発見して、学校でもそういうノートを作れるようになると、家庭でも学習がしやすくなります。

 

 

3.家庭学習の習慣がつくまで、子供と一緒に勉強する

あなたは子供の時に、

大人はずるいなぁ」と思ったことはありませんか?

 

子供には勉強しろ、というのに、自分はテレビを見ているのです。

 

そうすると、どうしても子供が家庭で勉強する習慣がつきません。

 

もちろん、親も子供の見ていないところで仕事をしていたり、勉強をしていたり、忙しくしており、それ以外の時間はのんびりしたい、というのはわかります。

しかし、それを子供が理解するのは難しいのです。

 

そんなときには、親子で時間を決めて、一緒に勉強する、というのがやっぱり効果的なのです。

 

一緒に勉強していると、子供もわからないところを聞きやすく、わからずにウンウン悩んでいる時間というのが少なくなります。

悩んでも答えが出ない時間というのが一番苦しい時間なのです。

 

逆にそれがなければ、どんどん色々なことがわかるようになる、という、
とても楽しい時間に早変わりします。

 

リビングで、1時間子供と勉強する、というのも楽しいかもしれませんよ!